マンガ新巻レビューしてみる

マンガの新巻情報がでたら早めにレビューしてみます。旧巻でも気に入った作品は複数記事で特集します。

都合の悪い真実から目を背けてはいないか?「ミステリと言う勿れ」

「ミステリと言う勿れ」

タイトルを当たり前の様に書いてきましたが、今一度ご紹介。

「ミステリというなかれ」

と読みます。

 

なんとも堅苦しい言い回しですが、読み進めるほどにこのタイトルがマッチしている事がわかってきます。

 

久能が巻き込まれる事件や背景については非日常に起きた大きな出来事ですが、その中で久能が解決し説き解していくのは身近な人間同士の小さな気づきについてです。

 

ともすれば見落としてしまいそうな細かい感情や習慣、忖度など当たり前の事すぎて見えなくなっている様な事や、意識的に見ない様に目を背けている事などを白日の元に晒す事で事件や問題がクリアになってきます。

 

事件物の作品だと緻密なトリックや謎で組み立てられていますが、この作品の場合はそういった変哲もない人間の感情から組み立てられています。

 

事件や設定自体はミステリじみていても久能がただただ語るだけで事件や問題が解決されていく事から

 

 

これはミステリではない=「ミステリと言う勿れ」という事なのでしょう。(超個人的解釈)

 

 

しかしまぁすごいマンガです。

大きな事件に巻き込まれているにも関わらず、派手に展開する場面はありません。

 

久能が淡々と語るのみ(笑)

 

場面転換もなく、基本的にワンシチュエーションでひたすら淡々と進みます。

 

普通の設定のマンガであれば主人公に派手な活躍の場を与え、動きが映える印象的なシーンを与えようもんですが、久能が論破するだけ(笑)

 

だからこそ逆に痛快な構造になっているのですね。

 

しれっと心に響く名言や気づきが読者に提示されてきますし、何よりも考えさせられる。

 

この余白は大事だと思います。

 

物語を読んで「あぁ面白い」で終わらないのです。

 

「なるほど、こういう事は気がつかなかった」

 

とか

 

「痛い所を突いてくるよな…だけども本来は目を背けてはいけない真理だ…」

 

という感情が生まれてきます。

 

初めは久能の爆発天然パーマに冷やかしの目で読んでしまうのですが、登場人物たちと同じ様に読み手も久能に何も言えなくなるほど説得されます。

 

 

この感情体験は実に画期的!

 

 

かといって説教じみているわけでもなく、すっきりと整理されているのがスゴイ!

 

実は恐ろしくテンポ良く読める様に組み立てられているので、1巻読み切るのはあっという間です。

 

作者さんの力量を見せつけられる1作となっています。

 

 

いやぁすげぇなこのマンガ。

 

 

試し読みでのページ数でも十分に面白さにハマれます。

気になった方はチラ見してみて下さい。

試し読みページのリンク貼っておきますね。

もしも面白いと思ったら1巻分無料でも読めますよ。

本当に感動レベルでおすすめします。

それではまた。

説き伏せられる快感「ミステリと言う勿れ」詳しくはこちら