変わり者ほど真理に到達していると言う事実。「ミステリと言う勿れ」
「ミステリと言う勿れ」
別の記事では私の感想に焦点を合わせて紹介してみました。
もう少し作品に焦点を合わせて紹介しみましょう。
爆発天然パーマの主人公の名前は久能整(くのう・ととのう)。
「ただし」とか「せい」とかと読まない珍しい読みなんですね。
実際作中でもイジられてネタとされています(笑)
本人は笑われ慣れているのかそれも意に介していませんが(笑)
そして久能は大学生で一人暮らしをしています。
やはり変わり者らしく、友達や恋人もいませんが楽しく快適に過ごしているという。
大学生と言えばリアルがとても充実する時期だと思いますが、敢えて1人でいる事を選んでいるとは…しかも本人が好んで1人を貫いているという…
やはりこの久能は一筋縄ではいきませんね(笑)
痛い所を突かれるが痛快。
久能は冒頭から殺人の容疑がかけられ警察に連行されていきますが、一貫して少しもうろたえる事なく飄々と取り調べを受けます。
飄々としすぎていて、普通であれば人に言いにくい様な事や痛い所を忖度なしで言い切ってしまうもんですから、ある意味挑発的に見えるぐらいの態度で取り調べが進んでいきます。
結局刑事ですらも久能の言葉に説き伏され、悔しさを滲ませながらも久能の言葉に納得させられていき…
ついには取り調べの中で真犯人にたどり着いてしまうという超絶展開に…!
どこまでいっても久能は飄々としていて、熱くもならないし、ムキにもならない。
ただ自分の着眼点からの意見を淡々と語るのみ。
たまにリアルでもいますよね、人に言いにくい事をズバズバと言う人(笑)
久能の場合は表情一つ変えず、ユーモアも特に交えず淡々と話すだけなのでリアルに対面したらかなり痛い所を突かれてイライラさせられながらもやはり色々納得させられそうですが友達や恋人がいないのも結局納得できると言うものです(笑)
リアルにこんな奴がいたらちょっと大変ですが、ストーリーとして見ている分には痛快極まりません。
さながら哲学。もはや哲学。
この様にして物語が進んでいくので、久能の忖度のない姿勢に爽快感を覚え、いかに自分達が普段言いにくい事は無意識に蓋をしているかも突きつけられてきます。
しかも久能の突きつける着眼点は独創的なのに真理を突いているのでハッと考えさせられる深い哲学の様で…
爆発天然パーマのルックスから哲学が繰り出されると、そのギャップに一気に取り込まれてしまいます。
う〜ん…読者側も結局最初から最後まで久能のペースにハメられてますね。
そういったメタ的視点からも楽しめる異色マンガです。
忖度なしでこれは相当面白い。
あらすじや設定の説明でこの面白さを伝えきるのは難しいので是非一読してみて下さい。
試し読み読みができるページへのリンクを載せておきます。
もちろん試し読みなので無料で読めます。
それではまた。